カザーティ(CASATI)-名車の証
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カザーティ(CASATI)は、イタリアの歴史ある有名ブランドです。
創業93年目を迎えるイタリアの老舗チクリであるカザーティは、現在、その主宰を務めるのは、三代目のマッシモ・カザーテイ氏です。カザーティといえば、その仕上げが美しいスチールフレームのイメージが強く、多くのロードバイク乗りを魅了してきましたが、カーボンフレームにおいてもプロチームに供給するほどの実績を持ち高い信頼性を誇っています。優れたスチールとその哲学、またカーボンの可能性など魅力あるブランドです。
カザーティはフレーム製作における重要な工程を、いまでも自社工場内で行っています。そうした態勢で、年間、平均的に、1000本から1200本のフレームを作成しています。
自転車大国と言われるイタリアはブランド数も多いですが、そのぶんだけ競争も激しく、長い歴史を誇るブランドは少ないです。特にチクリと呼ばれる小さな工房は1代で終わることが多いです。
そうした中にあって家族経営を守りつつ、地元に愛され続け、かつてはジロ・デ・イタリアで優勝したジャンニ・ブーニョを育てたこともあります。
日本ではスチールフレームばかり注目されるますが、カーボンやアルミのレース用フレームから、コモ湖畔の高級リゾート地の名を冠したサイクリング用のベッラージオまで、豊富なラインナップを誇っています。
本国ではオプションで、すべてのモデルがカスタムオーダーできます。
カザーティの本社は、ミラノの北にある歴史と芸術の街モンツァにあります。工房は古びた貸し工場が並ぶ一角にあり、大メーカーのように出荷用トラックの横付けスペースもなければ、パッと見ではショップらしきものもなく、妙に新しい看板が目立ちます。
1920年、ピエトロ・カザーティが興しから、現在は息子のジャン・ルイジから、マッシモの代へと変わっています。日本にも古くから紹介されてきたブランドですが、不運なことに代理店が何度となく代わり、安定した供給が行なわれるようになったのは、ここ数年の話です。
「見てのとおり、私たちの工房はとても小さい。しかし、新しい技術に挑戦することと、これまで培ってきた経験をいかしてエレガントなバイクを作ることを心がけています。最新のカーボンフレームを作るのに、コンピュータを使って設計するメーカーが増えていますが、自転車の基礎がわからなくては、 いいフレームを作ることができません」(マッシモ)。
エンスーなイメージの強いカザーティだが、本国では子供車なども作られている。こういう廉価モデルも。。。 という、こちらの視線を察したのか、マッシモはこう続けた。
「イタリアメーカーといっても大きなブランドは総生産量の90%が海外製。カザーティのバイクは100%、メイド・イン・イタリーです。9割はモンツァで作られ、残りもイタリアの協力工場で作っています。
私が父から教えられたのは、可能な限りお客様を満足させるということ。なので、フレームだけでなく完成車として提供したいと考えています。海外の場合は、フレームのみということが多くなりますが、できるだけのことはします」。
工房の片隅には身体を採寸するスペースがあり、地元のライダーは理想的なポジションを出してから、フレームの製作に取りかかるのだといいます。
「昨日も日本から難易度の高い注文がありました。身長154cmの女性で、トップチュープがスロープしないほうがいいというのです。このリクエストに応えるため、スタッフ全員で集まって、現物を手にしながら、2時間も対策を考えました。会社としたら不器用なことかもしれませんが、これも小さい規模だからできることだし、カザーティらしさだと思います」。
ス・ミスーラと呼ばれるカスタムオーダーは、高級なイタリアンブランドにとって生命線です。決められたサイズのフレームを作るのではなく、ニーズに合わせて最適なフレームを提供する。これができて、初めて一流ブランドといえるでしょう。
いまのスチールは進化しています。デダチャイのゼロレプリカ、カザーティが使っているスピソット、それとコロンバスのステンレスなどです。以前のパイプでも路面からの振動を吸収するという、スチールの特性を享受しつつフレームを製作していますが、新しいスチール素材ではそれを活かしつつ、さらにパイプの径を大きくすることで硬さを出し、つまり、きちんと踏めるバイクに仕上げるよう、工夫されています。もともと弾力性に富むスチールフレームをいまのマーケットに合わせて製作するのであれば、そうした要素を考慮すべきでしょう。
径を大きくするというのは、パイプ自体を軽くして、なおかつ剛性を出すためです。しかし、薄くするにも限界があります。たいていフレーム重量でその基準を取りますが、カザーティでは、1.5kg以下はリスクがあると考られています。それ以上のフレームであれば、誰が乗っても安全、つまり破損しないフレームだと考えられます。
完成車の重量はコンポーネントによるところが大きいです。1.5kgというフレーム重量はカーボンに比べれば重いと思われるでしょうが、その500gはコンポーネントの重量でカバーできます。コンポーネントでカバーすることで、完成車で6.8kgまで持っていけます。とくに長距離でのスチールフレームのコンフォート性、つまりそれを生み出す高い振動吸収性は、やはリカーボンでは再現しにくいでしょう。ゆえに、とくに長距離のライドにおいては、スチールに優位性があると考えられます。
===【往年の傑作モデル 詳細解説】====
エスプレッソ(ESPRESSO)は、反応がよく、伸びやかさがあるモデルです。直進性が高めでダンシングをすると腰高な印象でもありますが基本が落ち着いた大人のフイーリングで、フォークもしっかりしています。鋭いコーナリングには向きませんが安定感はつねにあります。クロモリらしい粘りがあり、しかも大きなロスもなくスピードを維持できます。そういう意味では良くバランスが取れています。中トルクまではクロモリらしさ満点で脚に優しく、しかも伸びやかな加速をします。レーシーではないものの、これはこれで十分な性能です。標準レベル以上のコンフォートさです。伸びやかさが目立つ上り性能です。下りを攻める性格ではありませんが積極的に走れます。職人技を味わえるバイクです。レース用として活用できる運動性能を持っています。剛性を確保しながらも、バネ感とソフトなライディングフィールを有しています。一言でいうならいつまでも乗っていたくなるような乗り味のバイクです。スチールフレームだからこそのしっかりとした接地感と、ほどよい重量感が落ちつきある走りを提供しています。スピードに乗ったときの慣性と、滑走するようなロードインフオーメーションによって上質な走行感を演出してくれます。乗っていて心底から心地よいと思える質感はスチール素材と制作技術の融合です。
リネアオロ クラッシック(LINEA ORO CLASSIC)は、デダチャイ・ニューゼロ1チューブを使った日本限定モデルです。まずシートステーの接合部分にワリがあったりとか、これを削るだけでも結構大変なのですが、しっかり職人技が活きています。とくにラグはずいぶん削らないとこの形状になりません。 かなり手が込んでいます。こういったスチールフレームはもはやマスプロには作れません。ワイヤーの処理も素晴らしいです。カザーテイは本当に手業が丁寧です。メッキをチェーンステーとフロント部分のラグ、クラウンに使っていて、こじゃれた感じをうまく演出しています。細身のスチールフォークを搭載しているのも注目です。メッキのクラウンラグがとても良い味をだしています。フオークもあんまり先だめではなく自然なカーブを描いています。クラシックだけれども、あんまりやりすぎていません。そんな現代風のデザイン性というのをうまく取り入れながら、なんかまとまりのよさを感じます。実にカザーティらしいです。日本の代理店からのリクエストで生まれたモデルです。チューブはデタチャイ・セロウーノレプリカです。ラグには美しいクロームメッキが施され、まるで芸術作品のようなたたずまいをみせます。フォークはスレンド、アヘツドの選択が可能です。
ヴォラSLI(VOLA SLI)は、フレーム素材はT800スーパーハイモジュラス・ナノテクノロジー・カーボンで、フォークにも同じくハイモジュラス・ナノテクノロジー・カーボンを採用しています。フレーム単体重量1040gという軽さを誇りながら、圧倒的な剛性感をも同時に実現するインテグレーテッドシートポストモデルです。
ヒノックスT99(HINOX T99)は、軽量で薄肉なコロンブスのステンレスチューブ・XCrを使用したモデルです。フィレットブレイズで芸術作品のように美しく仕上げています。カスタムジオメトリーオーダー料金込みの価格なので、世界に1台だけの自分のバイクを作り上げることができます。本当に価値のあるフレームです。
ミストラル2(MISTRAL 2)は、T700スーパーハイモジュラス・ナノテクノロジー・カーボンを採用したインテグレーテッドシートポストモデルです。シートステーに特徴的なベント加工を施すことにより、振動吸収性をアップさせることに成功しました。フレーム単体重量は1100gという軽さです。
カンピオニッシモ(CAMPIONISSIMO)は、使用チューブは定評あるコロンブス・SLです。装飾性のあるラグには美しいクロームメッキが施され、オーナーの所有する満足感をくすぐります。ジオメトリーオーダー料金込みで、フロントフォークもスレッド式かアヘッド式かを選ぶことができます。フレーム単体重量は1740gです。
53×11スーパーライト(53×11 SUPER LIGHT)は、誕生以来、高い評価を得てきたレーシングモデルです。毎年進化を続けており、2011モデルでは20gの軽量化に成功し、モデル名に「スーパーライト」が付きました。スプリントから高速巡航、ヒルクライムまでオールマイティに活躍する実力を持っています。
リネアオロは、モンツァの工房で手作りされる人気モデルです。スレンダーなフレームはラグを銀ロウづけ溶接したもので、クラシカルなスタイルが魅力です。 トップチューブはブレーキワイヤを内蔵する細工も見せます。同色に塗装されたカーボンフォークとも相まって、シックな装いをかもし出しています。
アルテ チタニウムは、グレード9と呼ばれるチタン素材をベースに、ハイモジュラスカーボンバックを導入したカザーティのフラッグシップモデルです。メインフレームをチタンにすることで剛性を強化するとともに、独特の形状をしたカーボンバックが路面からの衝撃を最大限に吸収します。
このブランドは、上記以外も魅力的なモデルを沢山製造しています。カタログでは分からない実際に購入したユーザのクチコミ評判やインプレ、生の声は以下をご覧ください。
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