ケルビム(CHERUBIM)-詳細レビュー
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ケルビム(CHERUBIM)は、2つの顔を持つ門番の天使ケルビムを名に冠した日本の老舗フレームブランドです。レース指向のロードを作りながら、街に溶け込むシティバイクも作り続ける“二面性”がブランド名に重なります。
東京・町田の工房に足を運ぶと、用途に合わせて一本ずつ形が立ち上がっていく空気感があり、「どんな使い方の自転車でもオーダーしたくなる」と言われるのも納得です。既製品の枠で迷うより、まず走り方を言葉にして相談できるのがケルビムの強みでしょう。
ケルビムの魅力は、素材と接合の扱いが丁寧なことです。クロモリのチューブは同じ“鉄”でも厚み・バテッドの掛け方で性格が変わりますが、目的に合わせてチューブ選定と補強位置を変え、乗り味を組み立てる発想が一貫しています。軽さだけを追わず、長く乗って“馴染む”方向へ寄せるのが得意です。
ラグドやフィレット、ハンドカットラグのような意匠は見た目の話で終わりがちですが、実際には接合部の剛性分布や応力の逃がし方にも関わります。剛性を一点で立てず、しなりを使って路面のざらつきを丸める。結果として、荒れた舗装でも手や腰が嫌になりにくい“穏やかな速さ”が出ます。
オーダーの観点では、トップ長やヘッド角といった数字だけではなく、ハンドル形状・タイヤ幅・積載の有無まで含めて全体像を決めるのが現実的です。レース寄りなら反応の速さ、通勤寄りなら安定と見通しの良さ、ツーリング寄りなら積載時の素直さ。ケルビムはその切り替えが上手く、モデル名が同じでも狙いの違う一台に仕上げられます。
特にクロモリのロードやシティは、タイヤと空気圧の影響が大きい分、フレームの設計が“余白”として効きます。細いタイヤでシャープに走らせても、太めで快適性を上げても破綻しない設計は、日々の気分や季節に合わせてセッティングを変える人に向きます。走行感をセッティングで作り込む楽しさが残るブランドです。
見た目の完成度もケルビムの評価点です。ホリゾンタルの端正さを守りながら、現代の規格(ヘッド規格やブレーキの運用など)に合わせる折衷がうまい。いわゆる“クラシック過ぎて不便”になりにくく、普段使いに落とし込めるところが支持の理由になります。
スチールフレームは“数字の正解”が一つではありません。例えば、同じ速度域でも、ペダルの回し方が高ケイデンスかトルク型かで欲しいしなりが変わりますし、荷物の重心位置でも前後の荷重が変わります。ケルビムはこの前提を共有したうえで設計を詰めるため、乗り手の癖が強いほど答えが出やすいブランドです。
また、仕上げの面では、溶接痕やラグのラインを“見せる/隠す”の選択も含めて一台の表情が決まります。乗っている時間だけでなく、停めて眺めたときの満足感が続くのは、こうした積み重ねの結果です。機材としての合理性と、所有する楽しさの両方を狙えるのがケルビムの良さでしょう。
まとめると、ケルビムは速さと実用の間を往復できる、オーダー/スチールフレームの王道です。最初から完成形を決めなくても、乗りながら育てていける余白があるので、長く付き合う一台を探す人ほど相性が良いでしょう。
===【人気モデル 詳細インプレッション】====
RF フラットバー(RF FLATBAR)(2025年モデル)は、ケルビムらしいクロモリの品の良さをフラットバーで日常に落とし込んだモデルです。視線が上がりやすく、混雑した街でも周囲を把握しやすいポジションが取り柄。ロード的な軽快さを残しつつ、太めタイヤやバッグ運用にも合わせやすい設計で、通勤の“止まる・曲がる”が気持ち良くまとまります。フラットバー化で手首の角度が自然になり、短距離でも肩がこりにくいのが嬉しいポイントです。ボトルやラックの運用も想定しやすく、街の万能選手になります。
コンパクトロードインテグラル(CRI)(2024年モデル)は、インテグラルヘッドを前提にしたコンパクトジオメトリーのロードです。フレームを小さくまとめることで剛性の芯が通り、踏んだときの反応が濁りにくい。加えてクロモリのしなりが残るため、路面の細かな凹凸で跳ね返されにくく、レース志向でもロングライドでも“疲れ方が読みやすい”タイプです。インテグラルヘッドはフロント周りの一体感が出やすく、下りでハンドルが“落ち着く”感覚が得られます。反面、硬くなり過ぎないようチューブ選びで調律しているところにスチールらしさがあります。登り返しで脚が残りやすいタイプです。
MV(2022年モデル)は、輪行やクルマ移動を前提にした小径ツーリングの発想を持つモデルです。ホイールベースを詰めた取り回しの良さがあり、駅や宿での扱いが軽いのがメリット。小径でも直進性を損ねないように前後バランスを整えているので、荷物を積んでもフラつきにくく、旅のストレスを減らしてくれます。小径は加速が鋭いので、信号の多い街でもストレスが少なく、旅先の細い道でも方向転換が簡単です。輪行袋への収まりを考えたパーツ選びがしやすいのも利点です。宿でも扱いが楽です。
PISTA(2026年モデル)は、トラックバイクの潔さにケルビムの仕立ての良さを重ねたモデルです。ダッシュ時の反応が良く、細いタイヤでもヨレにくい芯の強さが出ます。フィーリングは硬いのではなく“輪郭がはっきりする”方向で、固定ギヤのリズムを作りやすい。街で乗る場合もブレーキ運用を前提に組むと、見た目と実用が両立します。トラック用途の潔さはそのままに、スチールの粘りで路面の粗さを受け流すので、舗装の継ぎ目で跳ねにくい。コグやチェーンリングの変更で“脚に合うリズム”を作り込めます。固定ギヤ特有の“抜け”が良いので、スプリント練習にも相性が良いです。
TM TOURING(2023年モデル)は、伝統的なホリゾンタルの雰囲気を残しながら、現代のツーリング実用へ寄せた一台です。26インチ採用でタイヤ入手性を意識し、荷物を積んだときの安定感が出やすい。長距離で疲れにくいしなやかさと、踏み込んだときの反応の良さを両立する狙いで、ランドナー的な使い方にも現代的なスピード感にも対応します。26インチは太めタイヤも選びやすく、荷物を積んでも空気圧でバランスを取りやすいです。旅の途中での補給・修理のしやすさまで含めて、長距離向きの現実解になっています。積載時のハンドリングが穏やかで、下りでも恐さが出にくい設計です。
ケルビムは同名モデルでも仕様や仕立てで性格が変わるブランドです。実際のオーナーが語る乗り味・用途の相性は、下の口コミ/インプレ欄が参考になります。
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