デローザ(DE ROSA)-名車の証
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デローザ(DE ROSA)は、最強の自転車選手と名高いエディ・メルクスが全幅の信頼を置いた名ビルダー、ウーゴ、デローザが興したレーシングブランドです。
デローザ(DE ROSA)は、弱虫ペダルでも登場する人気・評判のブランドです。
エルネスト・コルナゴと同じく12歳の時からフレーム作りを始めたというウーゴ・デローザは1953年、わずか18才の時に自らの名を冠しました。フランドクデローザクを興した。その凄腕が認められて、58年からはプロチームのメカニックにも抜擢されています。
その頃はフレームビルダーがメカニックを兼任できたよき時代で、現場の声をそのままフレーム製作に反映することができたのです。
1974年、デローザはコルナゴに代わって、エディ・メルクスとそのチームクモルテーニクのフレーム製作も担当するようになりました。
メルクスはステージレースからワンデーレースまで、あるいは有名なレースから地方の小さなレースまで、手当たり次第に勝利を貪ったため、「カンニバル(人食い人種)とまで言われた史上最強の選手です。
生涯通算勝利数は524。
後にも先にも、こんなにたくさんの勝利を挙げた選手はいません。
メルクスはバイクに関してもシビアな選手として知られていました。
ウーゴはメルクスからの難しいオーダーに応え、年間50本ものフレームを作りました。
ある時、メルクスはレース前日にフレームをオーダーし、ウーゴはそれに応えて一晩でフレームを仕上げ、早朝にレース会場まで運んだほどだったといいます。
このメルクスのフレーム製作を担当したことが、デローザの飛躍の原点となったのはいうまでもありません。
「あのメルクスのフレームを作るウーゴに、自分もフレームを作ってもらいたい」とオーダーが殺到するようになったのです。
ウーゴの作ったフレームを所属チームカラーに塗って使うプロ選手も多数いました。メルクスのデローザに対する信頼は絶大でした。
彼が引退後に自らのブランドクエディメルクスクを故郷のベルギー、フリュッセルに旗揚げする時も、フレーム作りの師匠としてウーゴを迎え入れたのです。
現在メルクスの自転車は世界的なブランドに成長していますが、その基礎を作ったのはウーゴ・デローザにほかならないのです。
現在のデローザの規模はかなり大きく、1988年にはミラノ郊外クザーノ・ミラニーノの工業団地の一角に立派な工房を作りました。
彼の3人の息子(ダ二ーロ、クリスティアーノ、ドリアーノ)を含め、ここで約20人の職人が働いています。
とはいえ年間の生産台数はコルナゴの10分の1程度の約6000本と、デローザの規模と名声からいえば少ないです。
それは妥協のない製品作りをしているためで、デローザとしてはこのくらいの数字が目一杯ということなのです。
現在のデローザの主流であるカーボンフレームのキングは、1日2台しか製作することができません。
いくら規模が大きくなっても高い品質を保ち続けている事実は、他の工房のお手本であるといえるでしょう。
昔から小さなチクリが点在するミラノの北、クサーノの小さな工房フラテッリ・ヴオルタからスタートしたウーゴ・デ・ローザは、ここで仲間とともに自転車を修理し、組み立てを繰り返す毎日でした。
その6年後の1953年に18歳の年で独立し、みずからの初めてのショップをミラノに開くことになりました。
これまで興味がありながらもできなかった、ロードレーサーのフレーム作りに情熱を注ぎ、ここに初めて名車「デローザ」の名を冠したマシンが誕生しました。
開店から5年後の58年。大きな転機が訪れました。
当時のトップレーサー、R ・ジエミニアニが翌週から始まるジロ・デ・イタリアのためにバイクを求めたのです。
すぐにウーゴはプロロード界に身を置くことになりました。
さらに60年に入ると、ウーゴは最強チームの一つスペインのファエマチームに自転車を供給するとともに、メカニックとして働くことになりました。
ろくにフレーム製作用の道具もそろっていない小さな工房で、もちろんロードレーサーだけを生産していては成り立ちませんでした。
工房ではフレーム作りはウーゴ、奥さんが店頭に立って小売りに専念していたのです。
日本人の長沢義明氏(現ナガサワレーシングサイクル)が、ポリアギからデローザに移った72年ごろから生産量は次第に増えていき、73年のレースシーズン終了間際のパリ〜ブリュッセルで、E
・メルクスがデローザに乗って勝利したことで決定的になりました。
「メルクスがコルナゴからデローザに乗り換えた」というニュースは、またたく間に広まりました。
74年には初めてミラノショーにブースを出し、「メルクスの選んだデローザ」はヨーロツパ全土に知れ渡ります。
当時メルクスが所属していたモルテニチームはベルギーのケッセルに乗っており、このウワサはマニアックな話題でもありました。
しかしそのウワサを裏付ける一例をあげるなら、メルクスがプロデビューしたプジジョーチームで66、67年に使っていたのは、フランス製のプジョーではなく、イタリアのマジィでした。
スポンサーありきの世界で、メルクスは自分の機材に拘り、勝利のためにはつねに最高の機材を選んでいたのです。
ウーゴの同想では「メルクスのために年間50本以上のフレームを作り、ときにはレース中(ステージ)にも頼まれたが、頼まれればイヤとはいえない」と、ひと晩でフレームを作り上げ、スタート前にメルクスに届けたといいます。
フォーク全体をメッキしたデザインは大流行し、ロードバイクのすべてが後を追ったほどでした。
しかし、じつはレース中にフォークをあつらえたとき、フレームの色に合わせる時間がなかったためフルメッキした苦肉の策でした。
現在のデローザは規模が比較にならないほどに大きくなり、カーボンも使用されます。
つねに時代のトップレーサーに愛される、選手が求めるプラスアルフアを具体的な形にする術をデローザが持っているからです。
2006年に手に入れやすい価格帯で発表したカーボンフレームがこのアウァントです。操作性のよさで発表以来高い支持を獲得しています。
カーボンフレームがなかったデローザが、2002年から市販したキングです。このころからウーゴは、息子たちにデローザの将来を任せ始めました。
ウーゴの得た経験と知識は、3人の息子たちにしっかりと受け継がれ新しい素材とともにデローザの未来に生きていきます。
===【往年の傑作モデル 詳細解説】====
ミラニーノ(MILANINO)は、ロードバイクの名門であるデローザが作るシティバイクは、クロモリフレームにベルトドライブと内装変速ハブを搭載し、シンプルながら上質なバイクに仕上がっています。
R838は、ミドルグレードとして打ち出したカーボンモノコックフレームのモデルです。OEM生産ですがデローザの思いをしっかりと受け止めたレーシングフレームです。まずヘッドチューブから造形のラインがリアに向かって走っているのが、今のトレンドに忠実です。このヘッドからトップチューブ、バツクステーに向かっていますが、ヘッドチューブがちょっと変わった形状で、トップチューブもヘッドから面イチで横に張り出ていて、それを強調するグラフィックも本当に巧みな感じがします。たとえイタリアでデザインしていなかったとしても完成度が高いです。ミドルグレードの完成車とは思えないくらいのカッコよさがあります。ダウンチューブは細身です。応力の分担はフレーム全体っていう感じで、トツプチューブも起用しながら、バックステーまでのラインを強調しています。優しいバイクというより、走りを意識したという感じです。デザインや形状設計もここまで気合を入れていることに、デローザの本気度を難じます。
プロトス(PROTOS)は、トップクラスの加速性能を持つモデルです。極太四角断面のダウンチューブ、そこからリアに伸びるチェーンステー、横に大くなったトップチューブを見ると、いかにも高剛性な感じです。かなり薄いチューブなのか、本気で踏むとそれなりにたわみも出ますが上質なマテリアルであることはよくわかります。よってスタビリティはかなり高くナーバスさがありません。全体に偏りがなく良好です。コーナリングも軽やかで、クイックなハンドリングによってすばやくコーナーに突っ込めます。コンフォートさは標準レベルに近いですが、反応の良さを出すために犠牲にしている部分はあります。ヒルクライムにも最適で、とにかく軽やかです。下りも軽さからくる落ち着きのなさをフロントが補い、60kg前後のプロ選手だったら万能に使える一台といえます。ましてや一般レベルならどんなライダーにも鋭い走りを支えてくれるにちがいありません。レースを想定した加速性能をもっていて、ビツグギアをかけたくなるバネ感があります。重厚なステアリングなどはしっかりしたフォークに守られているようで、ダンシ
ングはもちろん、コーナーワークや下りでの挙動も実に安心です。軽量ですが、重厚な落ち着きがあります。しっかりとした四肢に支えられ高速安定性もなかなか良いです。
スーパーキング SR(SUPERKING SR)は、加速をせかすようなキビキビしたフレームのモデルです。加速に特化したイメージでクリテリウムなどを走りたくなります。やさしさがない代わりに走りは刺激的です。細いフォークとバックステーですが、かなり積層されているようでたわみは少ないです。よって突っ張った感じにはなりますが、ボリュームのある造形と意外にマッチしていて、ついアタックしたくなる剛性です。上りも走ります。パワーライドできる人にはヒルクライムもいいです。下りはフォーク剛性の限界付近がナーバスになるので安全マージンは取っておきたいです。細く硬質なストレートフォークのため動きが速くオーバーステアぎみになるのでタイトコーナーではテクニックも必要です。しかしコンペティティブなハンドリングは高評価です。レース用としては楽しめ、攻撃的なライダーに最適です。エッジの効いた攻撃的なシルエットです。まさに走りもイメージ通りで、鋭さを演出しながら絶妙なバランスをもっています。「上質なデローザ」からは大きく離れていますが、おもしろい存在です。BB前方まで張り出したダウンチューブも迫力があります。ねじれたチューブのラインも踏み込んだときに適度にBBをゆらすような形です。瞬発力に優れた設計で、パワー系のライダーにも良いです。コーナーワークも得意なのでクリテリウムにも最適です。
チタニオ(TITANIO)は、中トルクまではチタンの中ではかなり優秀で小気味良く加速できるモデルです。カーボンバイクではこのように遅れながら反応するのはロスになりますが、チタンやクロモリの高性能バイクはそれを活かすことが可能です。クリテリウム的に走ってもそれなりに自在に走れます。フォークがやたらに手前にダイブしますが、それが不安ではないのはフレーム全体も類似しているのでバランスが取れています。路面の小砂利からくる振動はかなり吸収してくれます。アンジュレーションに対しての反応も良いです。ピュアレーサーが選択することはなさそうですが、高性能なチタンバイクが欲しい人にはおすすめです。すべての走りが思いのほか良いです。想像以上にレスポンスがよく、弾むようなペダリングが心地よいです。スタビリティも高く、チタン独特の振動吸収性も発揮されています。カーボンフォークは昔ながらの先曲げ形状で、もう少し剛性が欲しいところですが、フレームの雰囲気にはマッチしていて上質なフィールです。上りもイーブンならキビキビとこなせてロングライドにも応えてくれます。レースにもいけるので、一生もののバイクが欲しい人にはオススメです。
キング3 RS(KING3 RS)は、最新のマテリアルコンポジット技術を駆使したデローザのフラッグシップモデルです。数種類のカーボン素材を組み合わせることで、軽さと剛性、振動吸収性、推進力、そして操作性を高次元で高めています。上りでも下りでも、どんなレースでも勝利を狙える実力を持っています。キングはモデルチェンジして"キング3"となりました。"2"はどうした?と思うでしょうが、途中、素材を変更したマイナーチェンジ版の"Xライト"がそれに相当します。とはいえ、マイナーチェンジはマイナーチェンジ。金型まで変更した本格的なモデルチェンジとしては、キング初となります。横から見ると、サドルまで伸びたシートチューブ以外、外観上の変更はないように見えます。しかし、ダウンチューブはより人く、応力特性に合わせて形状も見直されています。ボトルケージ台座の下側にある段差は、キングのキャラクターラインとして残されています。クルマでよくある手法ですが、自転車はモデルチエンジすると、名前だけが継承されて、同姓同名の別人みたいなフレームが多いので、上手なアップデートです。走らせてみても、上手に仕上げてきたと思います。素材がトレカ・T700SCに変更され、荒れた路面でも骨太感が増してガタガタと不快な振動をハンドルに伝えることなく、マッシブになりました。デローザといえばスパルタンな走行感がウリですが、速度が上がると、従来と違った側面が見えます。路面の振動を巧みにいなして、走りやすさが前面に出てきます。これは従来なかったものです。デローザを語るときに創業者のウーゴの名前は欠かせないが、彼は過去の人です。
いまだにトーチを手にしているが、「新しいモデルのことは、息子たちに聞いてくれ」というキング3は、ウーゴが作ったムキになって乗ると光るバイクではなく、クルージングしているときに真価を発揮するバイクです。かつては武骨で硬派なイメージだったが、今や「ハートマークがかわいい」と女性からも人気のブランドです。試乗車もマットブラックで渋いカラーリングだが、トップチューブに赤いラインで装飾を施したり、しゃれた小ワザも身に付けています。性能だけでいえば、アメリカやフランスの体育会系レーシングブランドと比べ、モノ足りない部分もあります。けれど、ハンドリングや反応性など、最高級モデルの平均値を超えているし、アマチュアが不満に思うことはないでしょう。プロよりも実際のユーザーを見て、快適性を重視した息子たちの選択は、父親よりも大人の選択です.
キング3RS はモノコックフレームでありながら、10サイズを展開する。S ・M ・L と大雑把なサイズ分けも珍しくない現在、細かなサイズを用意するのは、長い問レースをサポートしてきたデローザの良心だろう。徹底的に軽量化されたモノコック構造のカーボンフレームは、10
% のT‐7 0 0SC、40% の46T HS 40カーボンプリブレグ、そして高弾性60Tカーボンを融合させた。高いねじれ剛性とともに耐久性を備えた結果、レースフレームとして重要な軽量化(フレーム重量が1kgを切り、従来モデルより10%軽量化された)はもちろん、インテグレーテッドシートポストやインナーケーブルを採用し、レスポンスがよく、優れた振動吸収性も兼ね備えたフレームを実現している。キング3RSには2種類の仕様がある。通常モデルに加え、もう1つは「RS
カスタム」で、サイズのカスタムオーダーとBB30や、1. 1/2のオーバーサイズヘッドチューブを選ぶことができる。これはキング3RS専用のストレートになったフロントフォークと相性がよく、ヘッドまわりの剛性アップとともに良好な操作性をもたらしている。
このバイクは誰が乗っても乗りやすさを感じるまとまりのよさを持ち、リアルアスリートから休日サイクリストまでがバイクの潜在能力の高さを感じるはずだ。またがっただけで進んでいくとは言わないが、踏み出してすぐに滑り出しのよさ、加速感を感じる。まずは軽めのギヤで回していくのが普通だが、そのときすでに普段の感覚からは1~
2枚重めのギヤで回している自分に気がつく。ハンドリングは素直で重い移動に素直に反応し、これといったクセを感じさせず、コーナリング途中でさえライン変更に不安感がない。路面のギャップはかなり消してくれるのに、パワーをロスしていないのは不思議な感触だ。こうした印象は一見ラグジュアリー系バイクかと勘違いしそうだが、踏み込んでいけばその思いは一変する。路肩の自線を外れることなく、パワーに素直に反応し、どんどんスピードが上がっていく。もっと踏めるような余裕が感じられるのだ。もちろん限界はあるので、それは錯覚と言えば錯覚なのだが、少なくとも50km/hくらいまでは自然とカロ速できてしまうだろう。そのスピード域に達したときの直迎性は強く、それでいて目の前に突然現われたギャップや穴を避けるクイックなハンドル操作にも不安感はない。しかし、万人受けする違和感のなさも、使いこなすことは難しいと感じるのは、この余裕の部分だ。誰でも自然と高速域に持っていける半面、デローザはさらにそこから上のレベルを要求しているように感じる。このバイクの限界を見極めることができるのは、ごく一部のエリートだけかもしれない。ただしキング3のすごさは、誰もがこの高性能を自分なりに感じ、使うことができること。
トップカテゴリーバイクにありがちな「よいバイクだけど、自分には使いこなせない」とは感じさせない懐の深さだ
メラク(MERAK)は、2000年にロード世界選手権を制したモデルの名称がカーボンモデルで復活しました。直進性と高速安定性に優れた設計で、サーキットでの耐久やヒルクライムレースなどで実力を発揮します。脚に覚えのあるライダーを裏切らない高性能を持っています。
アイドル(IDOL)は、斬新な逆スローピングのトップチューブをはじめ、個性的なカラーリングなど一度見たら脳裏に焼きつくスタイリングを持つ1台です。BB30やオーバーサイズのヘッドなど、剛性の高さからくる瞬発力あるキビキビした走りが可能です。デローザのなかで最もつややかで華のあるマシンです。日本国内限定カラーのブルーゴールドも魅力的です。フレームはしなやかで柔軟性を持っています。きれいなベダリングが得意ならマシンとの一体感を楽しめます。サドル高の調整幅が少なく、中級者~上級者に適したフレームです。
スカットフイッソアッチアイーオ(SCATTOFISSO ACCIAIO)は、トラック競技向けに設計されたフレームです。都市部でも扱いやすい仕上がりとなっています。TIG溶接のスチールは、走りに喜びをもたらすとともに、ほかの素材ではけっして作り出せない魅力を放っています。
スカットフィッソチタニウム(SCATTOFISSO TITANIUM)は、デローザのバイクも数あれど、一人の職人のみが作り上げるバイクとして、もっとも貴重とも言えるチタンのフレームです。至高の逸品を求め、唯―無二の製品を愛する人にふさわしいモデルです。
MERAK EVOLUTIONは、弱虫ペダルにも登場する人気・評判のモデルです。
スカンジウム(SCANDIUM)は、創業60周年を迎えたイタリアンロードの雄デローザの最新モデルです。同社はアニバーサリーモデル「セッサンタ」を、4種類のフレーム素材でリリースしました。カーボン、チタン、ステールは既存モデルを元にアレンジを施したものですが、アルミモデルは唯一新設計のフレームが採用されました。この「セッサンタ・アルミニウム」は、90年代に世界選を制した名機「メラク」以来となるデローザの高級アルミとして、目の肥えたサイクリストの間でひそかに注目されており、製品のレギュラー化も望まれていました。デローザはそんな声に応えて、このセッサンタ・アルミニウムのフレームを「スカンジウム」のモデル名に改めて、2015年モデルに加えてきました。チュービングは車名にもある希少金属のスカンジウムを添加した7000系のアルミ合金で、軽さと剛性・堅ろう性をバランスしています。もちろん製造はクザーノにあるデローザの工房で、熟練したビルダーが手がけています。チューブ接合部にTig溶接のビード痕を残さないスムーズウエルディングの技法は、かつてのメラクをほうふつとさせる美しい仕上がりです。そしてフレームサイズは、セッサンタと同じカスタムフィットの「ブラックレーベル」が適用されています。スカンジウムの価格は高級カーボンフレームが買えるほどですが、サイズオーダーが可能で、久しぶりのデローザ本気のアルミモデルとなれば、マニアにとって食指を動かされる存在となるでしょう。アルミロード全盛の90年代後半は、イタ車が最も輝いていた最後の時代です。その当時の最高傑作の一つがデローザ・メラクです。それと比べてこのスカンジウムは、テーパードヘッドなどを身にまとい筋肉質な外観へと変貌を遂げていますが、チェーンステーはメラクさながら角断面タイプが配置され、かつてのファンにはうれしい仕様です。かなりの大径チュービングにはなったもののアルミ缶のようなパリパリの肉薄感ではなく、それよりもやや肉厚のある印象です。剛性は高いが過度な感覚はなく、ペダリングでは気持ちのよいレベルの刺激を脚に受けながら、アルミらしい響きのある軽さと力強さで加速します。その感覚はデローザらしいシャープにして素直な走りです。乗り心地はカーボンフレームに慣れた体にはどうしてもゴツコツした感覚もありますが、我漫のできないレベルではなく、オーソドックスなバックステー形状から考えればかなり高レベルです。脚にストレスの少ないベダリングフィールを含め、この快適性はスカンジウム素材によるものかもしれません。個人的に気になる部分があるとするならフロントフォークです。もう少し重厚感のあるタイプのほうが、バイクを振ったときの動きが安定します。あくまで臆測ですが、密度感と重厚感のあるアルミフレームには、かつてのピナレロや現在のタイムのようにRMT工法のカーボンフォークのほうが重厚感はあり、相性はいいのかもしれません。とはいえスカンジウムは高級アルミらしいシャープな加速感、デローザらしいクリーンで素直な走りを楽しめます。高価ですが、金属フレームに新たな選択肢が生まれたのは、マニアにとって歓迎すべき一台であると言えるでしょう。シートステーはきわめてオーソドックスな丸断面で構成されています。その外径は19mm以上と大く、
トップチューブとの接合位置を幅広く確保することでねじれ剛性を高めています。大径のトップチュープは横方向への扁平加工が施されています。アルミフレームらしい高い反応性を得つつも過剛性を抑え、ペダリングにおける脚への負担を軽減するための設計になっています。下側のベアリング径をワンポイントファイブ規格としたテーパードヘッドチューブを採用しています。翼断面形状のフォークとともに、フロントまわりは大きなボリュームで剛性を高めています。アルミの名機メラクから受け継ぐ角断面のチェーンステーを採用しています。外径も昔とほぼ変わりはないように見えます。横方向への扁平加工などは一切されず、あくまでも反応性を重視しています。トレンドにのっとリハンガーシェルは、幅広タイプのプレスフィット86規格を採用しています。ダウンチューブのBB側は横方向への扁平加工を施し、ハンガーまわりのねじれ剛性を高めています。
ミラニーノ ミニマーレ(MILANINO MINIMALE)は、とにかくスタイリッシュです。そのひと言に尽きると言っても過言ではない、シンプルさがウリです。英語のミニマムが語源となった、「MINIMALE」というモデル名が示す通り、特筆すべき機能はスターメーアーチャーの内装3段変速ギアをベルトドライブで駆動させるだけです。ムダを削ぎ落とすことで、9.6kgという軽量性を実現させています。マットホワイトを基調とした美フレームに、レッドのサドルとグリップカラーがアクセントになっています。
キング3(KING3)は、究極の剛性と軽量化を実現したモノコックフレームです。スムーズに進むフレームですが、剛性の高いフレームなので力任せのペダリングでは確実に脚にきます。ベダリングスキルと強じんな肉体をライダーに要求してくるはずです。つまり「乗り手の力を引き出してくれるフレーム」ではなく、「乗り手の力を要求してくるフレーム」です。ポテンシャルをどれだけ引き出せるかは、このフレームのオーナーになった者だけが楽しめます。
ネオプロは、素材に耐久性にすぐれたT700/K12カーボンを使用しています。トラディショナルなデザインと最新のテクノロジーが融合したモデルです。乗り込んで距離を走ってみるとどのシーンでも平均値が高く、高いレベルでバランスされているのが特徴です。なかでも振動吸収性がすばらしく、安定性はピカイチです。ライターに対してストレスを感じさせません。そのためネオプロが最も真価を発揮することになるのは、さまざまなシーンが想定されるロングライドでしょう。
アバントは、なんといっても踏み出しの軽さが魅力です。パワーの入力に対して即座に反応してくれます。高速域での安定感や巡航性もよく、ライダーはストレスを感じることがありません。気難しさとは無縁で、ビギナーが乗っても十分に楽しめるモデルです。
チタニオXSは、他のフレーム素材とまったく異なる特徴を持つチタンモデルです。堅牢にして軽量、柔軟にして高レスポンス、さらに頑丈で信頼性の高いフレームです。厳選された素材が厳格な製造過程で卓越したフレームに生まれ変わります。長距離の走行に適した快適性と安全性。洗練された品質と成信を身にまといます。
コルムは、クロモリフレームとしては軽量なモデルで、加速や登坂の低遡或でも重量によるマイナス要因は少ないです。飛び抜けた性能はないが、総合力が高いフレームで、レースから通勤まで何でもこなすオールラウンダーです。軽やかさとともに、人によっては自転車の優良な進化も体験できるかもしれません。
チーム08(TEAM 08)は、上級モデルにひけを取らないアルミフレームの超新星です。軽快感が際立ち、加速性能、巡航性能も良好です。アルミフレームだが硬すぎず、良好な振動吸収性があります。インテグラルシートポストは調整幅に余裕があり、ポジションが定まっていないビギナーに喜ばれるでしょう。
クロン フォーミュラは、デローザがプロ選手とともにレースから得たノウハウを投入したモデルです。純粋にタイムトライアルでの勝利を目指して作り出された軽量フレームは優れた安定性とエアロダイナミクスを誇ります。これらの特徴を引き出すのは軽量で剛性を持ったモノコック構造のカーボン素材です。
ディーバは、年々増え続ける女性サイクリストのために、デローザが心を込めて生み出したレディースモデルです。女性特有のジオメトリーやサドルポジションを考慮した優雅なシルエットで、
ドロップバーとフラットパーの2タイプを展開しています。 トップレベルの機能とモダンで美しい1台です。
ネオプリマートは、走り出しや上りなどの低速域でずっしりと感じる重さも、時速25~35kmの中速域になると別モノのように走り、いつの間にかスピードに乗ってしまう不思議なモデルです。クラシカルな外観とは裏腹に現代にも通用するポテンシャルを引き出せるのが痛快です。本物を好む人にこそ乗ってほしい1台です。
このブランドは、上記以外も魅力的なモデルを沢山製造しています。カタログでは分からない実際に購入したユーザのクチコミ評判やインプレ、生の声は以下をご覧ください。
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