チャン・ヒョクチェ(Hyuk-Jae Chang)-詳細レビュー
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米国内での自転車人口の急増を受けて、ベンシルベニア州ピッツバーグを拠点に活動する韓国人の工業デザイナー、チャン・ヒョクチェはVilleの開発に乗り出した。Villeはキャノンデールに提案したストリート用バイクで都市部での移動にも、ショッピングカートとしても利用できる。 チャン・ヒョクチェ(Hyuk Jae Chang)が提案した「Ville」は、“都市の自転車が抱える不便”から逆算して設計されたストリート向けコンセプトです。移動だけなら自転車は便利なのに、買い物や荷物運びになると途端にハードルが上がる——その現実を真正面から扱います。ここでの主役はスピードではなく、生活の中での選択肢を増やすことです。
彼が着目したのは、駐輪の不安と盗難リスク。都市のサイクリストは、荷物を積むほど停める場所に神経を使い、結果としてクルマやカートに戻ってしまう。ならば、バイクを“屋内に持ち込めるサイズ”へ一気に寄せればよい、という発想が出発点になります。駐輪場に預ける前提を捨てることで、行動の自由度が上がるという考え方です。
Villeは木製モックアップで折りたたみの動作を検証し、次にCADで最終形を詰めていくプロセスを踏んでいます。折りたたみの狙いは、単に小さくすることではなく、形態が変わることで用途が増えること。折りたたんだ一部が、そのままショッピングカートやワゴンとして働くのが肝になります。自転車とカートを“別物”として持つのではなく、ひとつの道具として統合する発想です。
象徴的なのが“3つ目の小さなホイール”で、引き出すことでカート形状が安定する仕掛け。荷物を積んでも転がしやすく、店内やエントランスで邪魔になりにくい。さらに小さく畳めるため、玄関やオフィスにバイクごと入れるという前提が成り立ちます。雨の日でも屋内保管ならサビや盗難の心配が減る、という副次的メリットも出てきます。
ストライダやブロンプトン、モールトンなど折りたたみの系譜を参照しつつ、Villeが目指したのは“移動手段の枠を越えた便利さ”。環境負荷を減らしたい人の気持ちを、日常の行動に落とし込むためのプロダクトデザインだと言えます。坂道、段差、狭い通路といった都市の制約を、使い方で乗り越える提案でもあります。
「乗る」と「押す」を同列でデザインしている点が、普通の折りたたみ車と決定的に違います。自転車としては走り、必要な場面ではカートとして振る舞う。だからこそ、チェーンや泥の扱い、握りやすさ、転がすときの重心など、地味なところがプロダクト価値を決める。Villeはそういう“生活の摩擦”を減らすためのコンセプトだと考えると理解が早いです。
プロダクトとして見ると、Villeは“都市の問題をデザインで解く”典型例です。駐輪場が足りない、盗難が怖い、買い物袋が邪魔、屋内に入れにくい——それぞれを別々のグッズで解決すると荷物が増える。そこで一台にまとめて、行動の手順そのものを短くする。日用品の設計としての筋が通っています。
もちろん実際に製品化するなら、重さ、コスト、耐久、メンテ性といった現実が立ちはだかります。それでもVilleの価値は、単なる折りたたみの巧さではなく、生活の中で“自転車を選べる場面”を増やそうとした点にあります。だからこそ、各派生モデルではどの摩擦を最優先で減らすかが性格になります。
都市での移動は、必ずしも『走る距離』より『途中の手間』が支配します。信号、店の入口、エレベーター、室内の保管場所——その一つひとつが面倒だと自転車は選ばれなくなる。Villeはここを、折りたたみとカート化で“手間の総量”を下げようとしています。だからデザイン評価は、走行性能よりも生活の流れに溶けるかどうかで決まります。
===【人気モデル 詳細インプレッション】====
Ville Concept(2022年モデル)は、Ville Concept(2022年モデル)は、折りたたみ→カート化という基本思想を最もストレートに示した原型。畳んだフレームが取っ手のように働き、歩行時は押して運べる。駐輪場の不安を“屋内に入れる”で解決する狙いが分かりやすい。走行時とカート時で操作系が迷わないよう、折りたたみ手順を少ない動作で完結させるのがポイントになります。カートとして押す時間が長い人ほど、ハンドル形状と重心位置の設計が効いてきます。
Ville Cart-Plus(2023年モデル)は、Ville Cart-Plus(2023年モデル)は、荷物運びを優先してカート状態の安定感を高めた派生。3番目の小径ホイールの位置決めを工夫し、満載でも左右に振られにくい。買い出し量が多い家庭や、店舗の仕入れ用途を想像させる味付けです。荷台の高さや幅を現実的に取り、段差の乗り越えで荷物が落ちにくいよう“転がし道具”として整えています。買い物袋の揺れを抑えるため、荷室の固定方法やフック位置まで含めて考えると完成度が上がります。
Ville Mini-Fold(2024年モデル)は、Ville Mini-Fold(2024年モデル)は、収納の制約が厳しい都市生活向けに折りたたみ寸法をさらに詰めた想定。玄関脇やデスク下に入れることを目標に、折りたたみ手順を簡略化して“毎日畳む”前提で設計されている。狭いエレベーターでも迷惑になりにくく、駅のコンコースでの押し歩きもストレスを減らす。日常の“しまえるか”を最優先したモデルです。軽量化よりも、畳む頻度に耐えるヒンジの堅牢さが重要になる派生です。
Ville Secure-Indoor(2025年モデル)は、Ville Secure-Indoor(2025年モデル)は、盗難対策と屋内運用のストレスを減らす方向に尖らせた仕様。持ち上げやすい持ち手位置や、壁に立て掛けても汚れにくいレイアウトを想定し、駅前駐輪に頼らない生活動線を作る。カート形態で転がすときに手が汚れないよう、チェーン周りの処理や触る場所の分離を考えるのがこの派生の核心になります。屋内での“置き方”まで含めて設計するので、生活動線が変わる可能性があります。
Ville Urban-E Assist(2026年モデル)は、Ville Urban-E Assist(2026年モデル)は、坂の多い街でも“荷物+自走”を成立させるためにアシスト化を盛り込んだ近未来案。重い買い物袋でも発進が楽になり、カート形態への変形も維持する。アシストで重量が増えても、屋内へ持ち込める折りたたみ寸法を守るのが難所です。便利さを増やしてもコンセプトが崩れないか、検証の価値があるモデルです。登坂が楽になるほど『自転車で買い物』の心理的障壁が下がる、という狙いが見えてきます。
Ville系の派生は、どれが正解というより「自分の街の摩擦がどこにあるか」で刺さり方が変わります。屋内に入れたいのか、荷物を安定させたいのか、坂を楽にしたいのか——優先順位が決まるほど選びやすい。
コンセプトバイクは仕様表よりも「実際の生活でどう役に立つか」の話が決め手になります。使い方の想像が広がる体験談やレビューは、下の関連レポートから辿ると読みやすく、購入検討の整理にも使えます。
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