ティエルト・フェーンホーフェン(Tjeerd Veenhoven)-詳細レビュー
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オランダの工業デザイナー、ティエルト・フェーンホーフェンの軽量なカーボンファイバー製バイクは、そのシンプルさに驚いてしまうコンセプトです。
この普通なカーボンバイクの特徴は、外観がとにかく普通であるというところ。カーボンフレームと言えば、いかにもな形状を思い浮かべがちですが、ここでは丸パイプ中心の見た目に寄せています。
最大のポイントは、モールド(金型)を使わず、金属のジグでパイプ形状を保持しながら接着していく発想にあります。エポキシ樹脂とカーボンファイバーを、必要なところに必要なだけ足していくため、大掛かりな設備がなくても組み立てのイメージが湧きます。
“作れるかどうか”を設計の中心に置いたカーボンバイク、という視点が新鮮です。 リサイクル部品も多用できるとされ、材料費を抑えながら成立させる方向性が示されています。
一方で、カーボンは本質的に高い剛性を持ち、柔軟性が低くなりがちです。快適性を確保するには、フレームそのものに頼り切らず、サドルやタイヤ、シートポストのしなり、さらには荷物を積んだ時の挙動まで含めて全体で“当たり”を作る必要があります。
もし街乗り用に発展させるなら、積載重量の増加と衝撃吸収性の向上を同時に考えるのがポイントになります。設計がシンプルなぶん、用途に合わせて“足すべきところ”が明確で、カゴやラック、フェンダーの取付をどこに持たせるかが次の課題になります。
カーボンと接着剤を主体にした構造では、硬化条件や接着面の処理が仕上がりに直結します。作り方が簡易でも、脱脂・表面粗化・硬化時間など“地味な工程”が強度を左右するため、工作の手順そのものが設計の一部になります。見た目が普通でも、内部は繊維の巻き方で性能が決まる点がカーボンらしいところです。
走りの面では、剛性が高いほど反応は良くなりますが、そのままでは路面の角を拾いやすくなります。ここで示された方向性は、フレームを柔らかくするのではなく、タイヤや接点(サドル・グリップ)で快適性を稼ぐという割り切りです。都市部の荒れた路面や段差が多い環境ほど、この割り切りが成立するかどうかが試金石になります。
耐久性の観点では、金属の溶接フレームと違って“割れが突然来る”不安が出やすいので、応力が集中する場所(接合部、ヘッド周り、BB周り)をどのように補強するかが肝になります。作る側が点検しやすい設計にしておけば、クラックの早期発見や補修もしやすく、日常用途での安全マージンを確保できます。
外観が普通であることは、デザイン上の“主張が弱い”というより、生活道具として馴染ませるための戦略とも言えます。ハイテク素材を使いながらも、街の風景に溶け込む見た目に寄せることで、使う場面の幅が広がります。
こうしたコンセプトは、完成品のスペック勝負というより、組み方やセッティングで“自分の生活に寄せる”余地が大きいのが魅力です。以下では、この思想を軸に、用途別に5つのモデル像として整理し、何を優先して作り分けると良いかを解説します。目的を先に決めるほど、足すべき補強と削るべき無駄が見えてきます。検討の順序が重要です。
===【人気モデル 詳細インプレッション】====
Ordinary Carbon City(2022年モデル)は、丸パイプ中心の“普通さ”を残しつつ、街中で扱いやすい取り回しを優先したモデル像です。モールドを使わずジグで保持して接着する発想を活かし、必要十分な補強だけをエポキシとカーボンで足して軽さを保ちます。快適性はフレームではなくタイヤとサドル側で作る前提で、段差の多い道でも疲れを溜めにくい方向にまとめます。見た目が控えめなので盗難リスクの心理的ハードルも下がり、日常の相棒として使い倒す前提に立てます。
Ordinary Carbon Carry(2023年モデル)は、リサイクル部品の多用というコンセプトをさらに推し進め、ラックやカゴなどの積載を前提にしたモデルです。積載重量が増えるほどフレーム接合部への応力が上がるため、接着部のカーボン巻き量を増やし、荷重が集中しやすいポイントを分散させる設計にします。街乗りの実用性を最優先し、重くなりすぎない範囲で耐久性を上げるのが狙いです。積載時はハンドリングが変わるため、ジオメトリの微調整(フロント荷重の作り方)まで含めて詰めると完成度が上がります。
Ordinary Carbon Comfort(2024年モデル)は、カーボンの高剛性で“硬さが出やすい”課題に正面から向き合い、衝撃吸収の仕組みを積極的に組み込むモデル像です。フレーム自体の柔軟性に頼らず、シート周りやタイヤの選択で当たりを作る考え方を徹底。ジグ組みのシンプルさを維持しながら、乗り手の体重や路面状況に合わせて補強としなりのバランスを調整できるのが強みになります。硬さが気になる場合は、チューブを足すのではなく“どこを巻かないか”を決めるほうが効果的なこともあります。
Ordinary Carbon Workshop(2025年モデル)は、“ガレージで作れる”という思想を最も強く体現するモデル像です。金属ジグとエポキシ接着をベースに、部品交換や修理がしやすい構成を優先し、リサイクルパーツの入れ替えにも対応しやすい設計にします。形状が普通だからこそ、部材の入手性や作業性が良く、ライフスタイルの変化に合わせて作り直せるのが魅力です。自作・改造が前提だからこそ、保守性を確保するための規格選び(入手しやすい部品)も重要になります。
Ordinary Carbon Lite(2026年モデル)は、必要なところに必要なだけカーボンを足すという原点に立ち返り、軽量化を最優先したモデル像です。接着部の設計を丁寧に詰め、余分な補強を削りつつも安全域は確保します。硬さが先に出やすい領域では、サドル・ハンドル周りの選択で快適性を補う前提にし、軽さと実用のバランスを“部品側”で作るのが特徴です。軽量化に寄せるほど快適性は部品選択に依存するため、タイヤ幅や空気圧の最適化が“最後の設計”になります。
このコンセプトは、完成車のカタログ比較よりも、実際に組んだ人の工夫や長期使用での課題が参考になります。制作例や乗り味のレビュー、積載や快適性の改善アイデアまで幅広く見比べて、自分の用途に近い作り方を選ぶと理解が深まります。
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