タイム(TIME)-名車の証
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タイム(TIME)は、フランスのロードバイクブランドです。
タイム(TIME)は、弱虫ペダルにも登場する人気・評判のブランドです。
ペダルの新発想から、フレームブランドヘの成長を遂げたタイムは、いまや押しも押されもせぬフランスのトップブランドヘと昇華しました。
1986年ビンディンクペダルの開発に始まり、シューズの生産もスタートしました。このとき、すでにタイムのペタルはフローティングのシステムを採用しており
多くのヨーロッパブロ選手に使用され、絶大な支持を得ることになります。 トップレベルの性能を誇るタイムのカーボンフロントフォークやカーボンフレームを有する最高のカーボンフレームメーカーです。
1987年、タイムの登場は衝撃的だった。フランスのスター選手、システムUのローラン・フィニョンがこのタイムのベダルを使用した。が、そのシステム(左右にクリートが動くバイオパフォーマンス)には当初、懐疑的な見方のほうが多かったという。
その翌年、ペドロ・デルガドのツール制覇を皮切りに、タイムを使用した選手が表彰台に上った数は120回以上となった。タイムのベダル理念は、そのおびただしい勝利数で実証された。
その後はルックかタイムか二極化されるまでにシェアを奪い合った。さらに90年代中盤にはMTB用ペダルの開発も開始された。
そしてフレーム生産に乗り出したタイム。初期こそビチュー製のバイクだったが、やがて独自でフレームやパーツのデザインと生産を始めた。そして21世紀に誕生したのがモジュールコンセプトを提唱するVXシリーズだ。
2011年はプロコンチネンタルチームのソール・ソジャサン御用達です。
最新ラインナップはタイムトライアル用を含め9つのラインナップを持つ大所帯、さらに2つのUCIプロツアーチームに供給する唯一のフレームメーカーにまで成長したのだ。
UClプロツアーのブイグテレコム、クイックテップの2チームにフレームを供給しています。
モジュールコンセプトと銘打った、ステムなどのパーツも剛性の一部という考え方でリリースしています。また、コンポ製作に意欲的でさらに拡大しています。
タイムの3代目、RXシリーズは、効率よくパワーを伝えながらも、いかに身体の負担を軽減するかというコンセプトのもと開発された超軽量ペアです。重量はなんとたったの190g
です。
【最新評判情報】
タイムの最高級モデルが新しくなりました。
それは次世代ロードの指針が示されることと同義でしょう。そう書くと、ずいぶんと大仰な感じがしますが、タイムは上下異径コラムを筆頭に、カーボンフレームの流行をいくつも作り出してきたブランドです。
高級車の購入を真剣に検討していれば、気にならない人はいないでしょう。
しかも、今回はトツプモデルだけでなく、ラインナップのすべてが新しくなりました。最高級モデルのZXRSはスカイロン、NXRがアイゾンに。
フルイディティも車名は継続していますが、中身を一新。
まるで「去年までのことは、ナシで―」とでも言いたげです。
そもそも大きなメーカーではありませんし、モデル数も限られます。
ここまで大胆なラインナップの見直しは、異例中の異例でしょう。
しかも、この改革の中心にあるのは、フレームよりも、新型のアクティブフオークです。
乗り心地を劇的に改善するため、ブレードの内部に制振機能を持つTMD (チューンド・マス・ダンパー)を搭載しています。
これは高層ビルなどの制振設備としても使われている技術の応用で、フォーク内部のウエイトが振り子となり、その反力を利用してフオークの揺れを減少させるといいます。
走っているときに感じる振動には2 つの側面があります。1 つは路面の状況を伝えるシグナルであり、もう1 つが疲労の原因になるノイズです。
振動は乗り心地と密接に関わり、僕らはその塩梅を調整するためフレームならフオークのオフセットや素材、タイヤの空気量やインナーチューブ、スポーク数やリムなどで調整してきました。
さて、フルイディティに焦点を当てた理由は簡単です。
アクティブフオークが快適性の向上を目的に開発されたのなら、そこに最もフォーカスして作られているのがフルイディティだかです。
これまでレース用バイクの陰に隠れていた存在でしたが、もしかしたら今後の主役かもしれません。
アクティブフォークを評価するため、ノーマル版との2台を1カ月ほど評価してみました。
さまざまなホイールとタイヤを試してみましたが、アクティブのセッティングは予測が立てにくく、こちらが試されているようなおもしろさがありました。
ノーマルに関してはセッティングに悩むこともなく、気持ちよく走れました。
反応のキレはレース用に一歩譲りますが、ライバルメーカーのエンデューロバイクより、はるかにシャープです。
このあたりは廉価モデルを作らず、高級グレードだけで展開してきたタイムの面目躍如たるところでしょ。
肝心のアクティブの評価は、賛否両論に分かれるところです。
サイクリングロードしか走らない人には不要です。
短時間しか走らない人もよさはわからないでしょう。いろいろ試してみましたが、どうしてもハンドリングの軽快感はノーマルに比べて劣ります。これはアクティブの欠点です。
しかし、路面のコンディションが悪い峠道では、その安定感の高さは圧倒的です。
モーターサイクルのステアリングダンパーと似た感じで、ハードな環境になると真価を発揮します。
これまたタイムらしい演出です。
今後、制振技術は大手メーカーの高級バイクを語っていくうえでキーワードになるでしょう。
TMDが正解かはわかりませんが、タイムがライバルたちに投げかけた一石は、相当なインパクトがあります。
初めてのタイムなら手堅く送りバントのようだけどノーマルを。
2台目以降の人なら、リスクを覚悟しつつヒット&ランなアクティブという選択もいいかもしれません。
自分で買うなら…と思うと、相当に悩ましいですが、それが互いの完成度の高さを物語っているということなのでしょう。
RXRは、ほぼすべてのチューブが左右非対称設計になっています。
外形は左右対称のはずでが、内側の積層が違っています。トップチューブもダウンチューブも、外側が分厚いです。
タイムはRXRのときから左右非対称設計やっていました。宣伝に使わなかっただけでした。
わざわざチューブの形を変えなくても、カーボンなら積層を変えれば左右非対称設計にできます。ほとんど全部のチューブがパッと見でわかるくらい違います。(厚さが)1mmくらい違います。
フレームサイズごとに剛性調整するのも、タイムは昔からやっていました。積層だけじゃなくて、チューブの外径もフレームサイズごとに細かく変えてますよ。
それはVXRSのときからやっています。そんなことがウリになるとは思ってなかったのでしょう。
タイムは、つねに何年か先を行ってるってことです。
この間、創立者のローランド・カッタンさんが亡くなったというニュースが入つてきました。
彼の話をするには、タイムの生い立ちを説明する必要があります。
まず、ルックでビンディングペダルの開発をしていたある技術者が、新しいペダルを考案しました。
80年代後半の話です。
でもルック社は、金型の問題とか互換性を理由にそのアイデアを拒否しました。それにその技術者が反発して、同じくルックの社員だったローランド・カッタンさんと2人で飛び出して会社を作りました。
それがタイムです。
なぜか93年にTVTを買収したことになっていますが、買収はしていません。TVTが持っていた施設の機械を買っただけです。
それはカーボンパイプを編む例の機械です。そのとき、ジャン・マルク(現在のタイムのトップエンジニア)に目を付けて、機材と一緒にTVTから引き抜いたのもカッタンさんです。
ローランド・カッタンという人は、タイムのパッションの源でした。そのローランド・カツタンさんの存在が、現在のタイムの特別な存在感に直結しています。
近年発表された振動減衰性の高いアクティブフォークの開発では、ジャン・マルクの「振動の専門家が欲しい」という要望に応えて、カッタンさんが振動の専門家を1人雇いました。RXRSとかZXRSで、タイムは何年間も振動の研究をしていました。
あのフォークのためだけに。
カッタンさんにはそこまで「いいものを作る」という情熱がありました。振動の研究だけやってる人を何年も雇っていました。普通に考えればありえない話です。
メーカーは振動をそこまでコントロールしようとは思わないでしょう。しかもアクティブフォークは、スカイロン用、アイゾン用、フルーディティー用と全部チューニングが違っています。
ダンパーの設計が変えてあって、それぞれのフレームの特性に合わせた振動減衰をします。
振動に関しては、タイムは別の領域に踏み込んでいる感じがします。なので今回のスカイロン・アクティブはものすごく大きな意味を持っています。
これが成功するなら、タイムは圧倒的なアドバンテージを手にするでしょう。
第二のVXRSになる可能性もあります。
つねにレースとともにあったのも、カッタンさんの情熱があったからこそでしょう。今まで名前が表に出てこなかった人だですが、彼が亡くなってしまったのはものすごく大きなことだと思います。これからタイムは、ちゃんとタイムでいられるんだろうか、って思ってしまうほどエネルギッシュな人でした。
自転車業界にとって偉大な存在でした。
タイムにとってそこまで重要な存在だったカッタンさんが亡くなってしまって、そのタイミングでアクティブフォークが形になって世に出ました。
タイムをずっと見てきて、歴代のトップモデルを乗り継いでこられたライダーでもは、これからタイムがどうなっていくのか予測するのは難しいでしょう。
でも、これからもっとよくなる可能性はあります。みんなはあんまり注目しませんでしたが、タイムはホイールで失敗したことがありました。
ホイールを作るために、会社から特許から何から丸ごと買ったのが失敗を招きました。
カッタンさんがいなくなったことで、そういう無茶振りはなくなるかもしれません。
でも、ユーザーとしてはそういつところが魅力だったりします。カッタンさんが持っていた情熱を失わなければ、タイムはこれからも伸びることでしょう。
===【往年の傑作モデル 詳細解説】====
VX Sは、タイム独自の衝撃吸収素材「ペクトラン」を通常の2倍織り込み、ショック吸収性を高めたロングライドモデルです。
フルーディティ S(FLUIDITY S NATURE)は、一昔前のカーボンフレームを硬めにしたような乗り味です。腰高な剛性フィールの中に攻撃性を見いだすような雰囲気があります。ダウンチューブの横のラインがBBに向かって上部にせりあがるラインです。上パイプもレース性能に貢献しています。フォークコラムの線が細いように感じますが高評価です。細身ですが角断面でたわみをおさえているダウンチューブと、しっかりしたトップチューブに支えられています。芯はしっかりしていますがおだやかです。中トルクくらいがちょうどフレームによる粘りどころでしょう。ステアリングフィールはヘッドあたりでソフトさを出しています。ハンドリングはほんの少し直進性が高めです。タイトコーナーではテクニックが必要でしょう。オリジナルステムやインテグラルシートボストはタイムらしい造形ですが、乗り味はソフトでありながら、踏み応えがある剛性は標準レベルです。フロント三角はレーシング形状で、精度の高いハンドリング性能を保っています。リアは垂直方向に柔軟性をもたせており、ショック吸収性は標準レベルよりも高いです。インテグルラルシートボストはしなりがない分、シッティングでのパワーロスは少ないイメージです。ジオメトリーもアップライトなので楽な姿勢を取りやすいです。
ZXRS NATUREは、エアロチューブを採用しているものの、全体に細いチューブ構成が目立ちます。タイムが扱うカーボン素材が良質なのは、つねにわかりやすいところです。チューブの細さはやはり気難しさを伴ってしまいますがスタビリテイが悪いともいうことではありません。フルイディティSよりもさらに腰高で直進性が高いです。フレーム全体でウイップがあるので、そのぶんフレーム全体で踏んばることによリスムースなコーナリングを行えます。踏み出しの反応はよく、大出力の反応もそこそこのレベルです。しかしフレーム剛性が限界に達しやすくはあります。トルクを抑えめに軽く回す走りが最適でしょう。下りもテクニックが必要でしょう。フロントがモノコック化したことで、造形の個性が薄くなってしまいましたが、それでもタイムらしいです。フルイディティSと兄弟のように似ている印象です。加速フィールやダンシングをしたときの挙動、BB周りの踏ん張りはやはリレーシングをうたうZXRSの方がしっかりとしています。腰高な印象かと思えばスタビリテイは十分に良いです。バイクを振ったときの安定感と扱いやすさは重心バランスが適正であることを示唆しています。フルイディティ同様に芯がありショック吸収性も高め。脚を削り合って最後に生き残るようなクラシックレースやステージレース向けのイメージです。
RXRSアルティウム(RXRS ULTEAM)は、従来のRXRアルティウムをベースに、形状を変更することなく反応性を向上させたモデルです。トップ&ダウンチュープの剛性を高めるとともに、快適性を損なわないようにシートチューブでバランスを取っています。シマノの電動変速機D2仕様も用意されています。
NXRインスティンクト(NXR INSTINCT)は、カーボンだけが可能にするモノブロックフレームと、長年タイムがつちかってきたラグドフレームの頂点RXRアルティウムのフロント&バックフォークを融合させたモデル。しなやかなメーンフレームがロングライドでの疲労を低減し、強化されたバックが力強い加速感を演出している。
このNXRは「インテグラルRTM」と呼ばれる新しい構造が採用される。TMとは「レジン・トランスファー。モールディング」の略で、レームの各部に必要なカーボン質を自在に変え、強度や剛性を整できる同社の独自技術だ。この技術に加え、フレームの前三角はモノコック構造が採用された。 一般的にフレームは内側から空気圧をかけて成型されるが、タイムの場合は異なる。フレームの内外両側から型を押しつけて成型することで、最適な圧力を隅々までかけることができ、より精度と強度に優れる製品ができるという。こうして出来上がったメインフレームには、RXRアルティウムと同じフロントフオークとシート&チエーンステーが誓人される。もちろん、上位機種で使われる振動減衰特性に優れる特殊素材「バイブレーザー」も搭載され、軽さや剛性を損なうことなく、乗り心地の向上が追求されている。メーカーではレースはもとより、ロングライドなどにも適した1台としており、新技術と上位機種の一部流用で作られたNXRは、価格的にもホビーユーザーの手が届く範囲にあり、タイムの新しい顔として人気を博すことは必至だ。
タイムは数あるロードバイクのなかでも"らしさ〃のある走行性能を実現しており、このNXRにもそのエッセンスはしっかりと受け継がれている。XRにも似て、パッと乗つて走りの軽さを感じるフレームではない。大径の肉薄チュープを使ったカーボンフレームが"シャキン〃とわかりやすい加速感があるのに対し、NXRは"スーッ″と滑らかに品よく前に出るので、ともすると低速では加速の実感を得にくいのだが、確実にバイクは前に進んでくれる。そして、実用的な速度域である時速30km以上になると、加速も含めて走りにがぜん力強さを感じるようになる。フレームの剛性感はかなり高いレベルにあり、確実にパワーを受け止める。とくにアウターギヤで高いトルクをかけて走る場面では、踏んだぶんだけ、いや、それ以上に前に出る感覚があり、まるでビッグセダンのごとく力強くグイグイと進む。一度スピードに乗せると速度が落ちにくく、流れるように走るため、RXR譲りのフィーリングを楽しめるだろう。ハンドリングは低速だと切れ込み感が強いが、実用速度域になると直進安定性が強調され、バイク任せで走れるので、疲れていてもストレスが少ない。そして、乗り心地についてはフロントフォークとバックステーが十分に働き、バイクの操作に必要な路面膵謝まちゃんと残しつつも、嫌な部分は確実にカットする。なおかつ大きな入力でも、収束が早いのでバイクの挙動力活しれにくく、安定した走りが可能だ。メーカーの提案どおりRXRなどに比べるとロングライドにも氣応できる器の広さを持つが、やはりロードレースのように、ある程度高速でパワーをかけて走るのが最も魅力的なバイクだ。
RXインスティンクト(RX INSTINCT)は、モノブロック構造のメーントライアングルと、ラグドタイプのバックフォークを組み合わせたフレームモデルです。路面から受ける振動をしなやかにいなしながら、ライダーの意思にすみやかに反応する加速性と安定感あふれる制動力を提供します。
VX RS ULTEAMは、\564,900 フレームセット (フレーム:カーボン) VXRSが進化したレースに勝つために作られた最高峰モデルです。ステム、ピラーが付属されています。フレームの単体重量は915gです。
VXS TRANCELINKは、\459,900フレームセット (フレーム:カーボン) VXSのハイグレードモデルです。レーシングとコンフォートの性能を合わせ持つグランフォンド対応モデルです。ステム、ピラーが付属されています。
EDGE FIRSTは、\228,900フレームセット (フレーム:カーボン) エントリーモデルながらフルカーボンラグ、フレーム単体 1,130gと他のブランドならトップクラスの性能を持っています。
FLUIDITY AKTIVは、トップチューフの形状とカラーリングに工夫を凝らし、ヘッドチューフの長さが強調されていません。BBの規格は保守的だったタイムですが、先進のBB386を採用しており、パワフルな加速を支えています。フォーク先端分に入っているTMDは疲労の原因になっている20‐50ヘルツの低周波数帯の振動に効果を発揮します。
スカイロン(SKYRON)は、2年ぶりのフルモデルチェンジを行いました。タイムのフラッグシップモデルは、いつでも注目の的です。2015年は、久しぶりに大きな変化がもたらされました。2012年に発表されたZXRSは、2008年に登場したRXRの流れを組むモデルでした。新城選手がブイグテレコム時代に使用していたRXRは、カーボンラグを用いて各パイプを接合する作りでした。ついで登場したR
X RSはRXRの前三角をモノコックにし、剛性を高めました。そしてZXRSは、より剛性と空力性能を煮詰めていった最終形態として発表されました。スカイロン(SKYRON)は、タイムの考える最高性能の新しい方向性が示されたモデルとなっています。空力性能について、ZXRSまではエッジの効いたチューブを用いていましたが、スカイロンは一転して各部が丸みを帯びた形へと変更されています。この形が、タイムの考える空力性能に優れた新しい形状です。直方体に風を当てて、どんどん空力性能がよくなるように削り込んでいった結果得られた形状だといいます。次は剛性のアップです。前三角がモノコックなのは変わりませんが、チェーンステーが左右非対称となり、さらにモノコックに仕上がりました。これによって、ペダリングパワーをよリダイレクトにリヤホイールヘと伝えることを狙っているっまた、フレーム前三角との接合面積が大きく取れることにも貢献しています。ねじれ剛性が30%、BB周辺に至っては45%アツプしています。かなり硬質な乗り味です。とくにダンシングでの反応のよさが際立っています。ハンドリングは、フレームの硬さから想像するよりもおとなしい仕上がりです。ただ、タイムらしいかどうかという点においては、戸惑う人が多いと思います。自分が思うしなりを生かして乗りこなすタイムの走りからすると、その印象が薄らいでいます。RXRS、ZXRS、スカイロンと比較すると、硬さがだんだんと強調されて進化ヒしてきました。ただ、RXRSからZXRSへのレベルアップよりも、ZXRSからスカイロンヘの硬さのレベルアップのほうが大きい印象です。それゆえかねてからのタイムのファンの中には、ちょっと違和感を覚える人もいるのではないでしょうか。しかし、一台のロードバイクとして改めてスカイロンと向き合ったとき、レーシーなバイクであると感じます。ハンドリングもいっそのこともっとクイックにしてもよかったのではないかとすら思います。パワーがある人は、その踏み応えを気に入るでしょう。ノンドライブ側が大くなっているチェーンステーは、シートステーとあわせてコンパクトなリヤセクションを剛性し、ペダリングパワーのロスを抑えています。BB規格にはBB386を採用しています。剛性性が45%もアップされています。シートチューブの形状も左右非対称となっています。ZXRSに比べ、かなリボリュームアップが図られています。エアロダイナミクスを意識し、ヘッドチューブダウンチューブに滑らかにつながるようなフォルムになっています。下ワンには15インチ径のベアリングを採用しています。かなり丸みを帯びた形状に変更されています。空力性能が向上しているほか、ねじれ剛性も30%アップしています。ボリューム感あふれるBBエリアの根元をよく見てみると、左右のチェーンステーがまとめて接合されているのがわかります。スカイロンの走りのキャラクターに大きく影響しています。
VXRS ULTEAM WORLD STARは、TIMEの高性能ロードバイクです。最新のカーボンフレームを理解するうえで避けて通れないのが、フランスの鬼才、ジャン・マルク・グニョーです。現在、タイム社のコンポジット部門総責任者の彼は、フランスの老舗ブランド、メルシエで自転車作りを学びます。その後、80年代を代表する名車、TVTの開発に携わり、カーボンファイバーの可能性に引かれます。軽量で振動減衰能力に長け、自在に形状を変化させられる力―ボンは、彼にとって競技用フレームの理想的な素材でした。そして、できあがったフレームはG
・レモン、M ・インデュラインなど、当時のチャンピオンたちが絶賛しました。T∨Tのマーキングでツール・ド・フランスに優勝することはなかったが、チームスポンサーのベイントに変えてトップ選手が使用し、輝かしい成績を収めました。90年代、TVTのフレーム製作施設がタイム社に売却されると、彼もタイムに移籍します。後にタイムが躍進する原動力となるカーボンフォークの開発に着手しました。また、フレームも製作し、同じディメンションで剛性感が異なる"エリック"シリーズを発表します。試験プロジェクト的な販売だったため、ビジネス的に成功を収めたとはいえなかったが、同じ金型を使ってラインナップを形成し、カーボンフレームの可能性を具現化してみせました。現在は素材変更でモデルチェンジするのが当然となっているが、当時は革新的な発想で、カーボンの未来を予見させる魅力的なフレームでした。そして04年、現在の高級カーボンフレームの基となるVXRSがデビューしました。ジャンは、この新作で多くの提案をしているが、なかでも革新的だったのが"モジュールコンセプト"と呼ばれる考え方です。フレームを自転車の一部として捉え、総合的に性能を上げるためにステムやシートポストも同時に開発しました。駆動系パーツが統合的に設計されることで飛躍的に性能を上げたように、専用設計のヘッドセットは従来品と比べ、耐久性が20倍と抜群の性能を誇り、事実上、メンテナンスフリーを実現しました。さらにシートチュープが延長され、シートポストの簡略化に成功しました。"トランスリンク"と名付けられました。これがインテグレーテッドシートポストの原型です。ほかにも、強力な制動力を得るため、ヘッドチューブ下側のコラム径を大型化しました。チェーンステーは応力負荷の大きな左側を強化し、左右非対称形状を採用しました。いずれも最新の高級モデルで標準化されつつある考え方です。06年には、フロントフォークのドロップエンドをカーボン化。走行性能を保ったまま、チェーンステー形状を見直して軽量化された進化型の"アルティウム″を発売しました。そして、さらに磨きをかけたのが08モデルです。その説明をする前に、基本的なことをおさらいしておきましょう。われわれがカーボンと呼んでいるチューブは、カーボン繊維で強化したプラスチック(CFRP)です。チューブの性能を決めているものとしてはカーボン繊維のグレード、積層数、繊維と樹脂の比率、繊維の方向、積層順、断面形状などが挙げられます。また、マトリクスと呼ばれる樹脂は、含浸される比率が高まると強度が下がり、強度メンバーに入っていません。そこに一石を投じようとしているのがナノテクノロジーです。08モデルのアルティウムには、アルケマ社が開発した共重合体(コポリマー)をマトリクスに配合しているのが大きな特徴です。「共重合反応というのは物性改質によく利用され、航空宇宙産業で使われている技術を応用したものです。結論から言うと、樹脂に混ぜると強度が増す物質をマトリクスに入れています。タイムでは"ナノストレングス″と呼んでいますが、分子レベルの結びつきを強化し、樹脂の結晶密度が向上します」とジャンは言います。これまでタイムはモデルチェンジしても、技術的な数字を誇示することはありませんでした。今回も興味深い革新が行なわれているにもかかわらず、数値的な発表がありません。カーボン繊維からチューブを成型する施設を持っているメーカーは、タイムやジャイアントなど自転車界に五指もないといわれているが、同様にセールストークに使われることもありません。すべては"乗ればわかる"とでも言いたげなスタンスです。チュープの成形にしても、他社とは大きく異なります。一般的なカーボンフレームはプリブレグと呼ばれます、樹脂を含浸させたシートを金型に積層してチューブを作ります。対してタイムは、放射状にカーボン繊維が張り巡らせてある織り機によって、網タイツ状のビースを編み込んで作製し土台となる金型に被せるようにして積層する。一長一短があるので、 一概にはどちらの生産方法が優れているかは言えません。しかし、作業者の習熟によって性能差が出るプリプレグ積層法よりも、タイム式のほうが安定した性能を出しやすいです。また、タイムのフレームが振動減衰性に秀でているのは、ダウンチューブとフォークブレードにベクトランという緩衝繊維を自在に配置できるからです。ジャンは言葉にしませんが、この"VXRSアルティウム ワールドスター"は、04年からスタートしたVXRSシリーズの最終型でしょう。フルカーボン製の専用ステム、ボトルケージ固定用のカーボンボルトなど、微に入り細をうがった仕様は、他の追随を許すことがありません。084ツール・ド・フランスの第19ステージで倒勝したシルバン・シャバネルが使っていたモデルです。重量がわずか915gのフルカーボンフレームは、品質と性能の最高のバランスを達成しています。ナノストレングステクノロジーによって衝撃や割れに対する耐久性も向上しています。
RXRアルティウムは、2009年のプロチーム供給モデルです。同社の持つ最高の技術をすべてつぎ込んだフレームをベースに、フォーク、ヘッドセット、シートポスト、ステムをトータルコンポとして組み込んだモジュールとして構築しています。RXRの空力特性と安定性、08年にプロチームが使用したモデルのハンドリング性能などを継承しつつ、振動吸収性、耐久性、ベダリングパワーの伝達効率など、さらに最高のレベルまで高めています。
RXRS アルティウムVIP
タイム・RXRSのDi2仕様。「ネジレ剛性を上げたので、下り坂でR X R は新型のR X R S にはついていけない」という開発者の評価。RXRでも下りで限界性能を出せる機会は少ないので、新型になってコーナリングスピードが飛躍的に向上したなんてことはない。だが、ヒルクライム時の中間加速では、トルクに厚みが増したょうに感じる。大径BBも効いているのだろうが、Di2用にFメカの取り付け部分が強化されているのと相まって、平地を走っていてもソリッド感が増している。パワーをムダなく推進力に換える。変速はおもしろいように決まるし、シフトケーブルが内蔵されただけでスタイリングも、ずいぶんとスッキリとした。生まれ変わったというには変化が小さいが、とんでもなく出来のいい一卵性双生児の弟が出てきた感じである。そして、このバイクを手にして最も変わったのは、走行後である。コンピュータのUSBポートに差したドングルを介して、ワイヤレスで走行データが日記のように記録されるのだ。ここ数年、サイクルコンピュータは煩わしいからと離れていたが、手間いらずに記録されていくと、レコーデイングダイエットではないが、日々の記録を積み重ねていくのが楽しくなる。Dl2ユーザーでもフライトデッキまで使っている人は少ない。確かにオプションとして考えると安くないが、コンピュータと呼応することで、自転車とつながってるような気持ちになれる。電池がないと機能しない自転車に対して嫌悪感がある人もいる。RXRSもサイクルコンピュータも、Di2にしても否定的な人もいるが、やはり手にしてみないとわからないこともある。ノーマル仕様のRXRSの走行性能にも舌を巻くが、新しいライフスタイルを感じさせるという点で、Di2仕様はおもしろい。
VRSバイブレーザーは、カーボン繊維に沿って振動吸収生の優れたバイブレーザー繊維を織り込み、快適性を追求したモデルです。「バイブレーザーテクノロジー」を駆使し、より高い振動吸収性、路面追従性、快適性を手に入れることに成功しています。ライダーの疲労蓄積を軽減するため、とくに長距離ライドに適しています。
VXRプロチームは、一部を除いて「VXRSアルティウムワールドスター」と共通する仕様で作られています。 トランスリンクを使用していないため、サドルの調整やメンテナンス性に優れています。モジュール性能の高さはすでに多くのレースで実証斉みです。プロライダーたちも使用する質の高い1台です。
エッジパルスは、タイムの世界に足を踏み入れようとするライダーのために設計されたスタンダードモデルです。先端テクノジーを駆使して作られたスポーツ性の高いフレームはシャープなデザインが特徴です。ライダーのパフォーマンスを引き出すとともに、独自のライディングスタイリレを導き出します。
エッジRSトランスリンクは、闘うサイクリストたちのために、前モデルの「エッジトランスリンク」がさらに改良されました。軽さ、ハンドリング性能、剛性などに加え、さらに振動吸収性を向上させるための「バイブレーザーテクノロジー」を組み込んでいます。振動を極限まで抑えることで、疲れをためることなくコールスプリントに脚を残すことができるといいます。レースからロングライドまで、まさにオールラウンドに乗りこなせるモデルです。
このブランドは、上記以外も魅力的なモデルを沢山製造しています。カタログでは分からない実際に購入したユーザのクチコミ評判やインプレ、生の声は以下をご覧ください。
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