ラルフ・キットマン(Ralf Kittmann)-詳細レビュー
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ラルフ・キットマンはベルリンを拠点として活動する工業デザイナーだ。
彼が製造してきたモーターバイクのフレームは非常に軽量で細身だった。電動アシスト自転車の世界でも充分通用するだろう。
環境を配慮した二輪車の新たな姿を求めて、キットマンはシュツットガルトの航空機専門大学インスティテュート・フューア・フルークツォイクバウのエンジニアたちと協議した。
こうして彼かデザインしたのが専用の織機を使ってカーボン繊維の糸を型に沿って編み込むことで、迅速な生産が可能になるフレームだった。
彼の軽量な電気自転車のコンセプトはHMK 561(「Heizen mit Kohle:石炭/カーボンで加熱」の略称)と名付けられ iFデザイン賞を受賞した。
受賞理由のひとつには新しい成形技術もあるが、カーボンファイバーを切れ目なく配置して導電性を実現することで、モーターバイクの電装品へ電気を供給する点も評価されている。
同じ仕組みで、フレームから吊り下がるフロントとリアのサスベンシヨンの軸から、二重反転式電気推進モーターヘも電力が供給されている。
なお、前後輪それぞれが2枚のリムをもつ奇妙な構造となっており、モーターはそのリムのあいだに巧みに設置されている。
この一体型のカーボン製フレームは、タコメーターやライトヘの電気の通り道を提供すると同時に、このカーボンによる"電気回路"がブレーキングで発電する未使用の電気も蓄電する。
このカーボン製バイクはリチウムポリマー電池を搭載しているが、無重量に近いほど軽いためその電力消費量は抑えられるはずだ。
その理由は「このバイクが運ぶのは、人間1名の重さであって、このマシンの重さではないからだ」とキットマンは説明する。
フレーム自体が配線であり、さらに蓄電にも関与するという発想は、Eバイクの“ハーネス地獄”を逆手に取った大胆な統合だ。
導電性カーボンを用いる設計は、雨天や泥はねの環境での絶縁処理・接点の保護が課題になりやすいが、逆に言えば接点数を減らせれば故障点も減る。
また織機による成形は、曲面の連続や内部の中空化と相性が良い。軽量化だけでなく、振動の減衰特性を狙って層構成を調整できる点も、乗り心地へ直結する。
HMK 561の思想は“電装を車体に溶かす”ことであり、配線の露出や外装の追加を減らして、環境負荷とメンテナンスの手間を同時に下げる方向にある。
従来のEバイクは、バッテリーや配線が外装として目立ちやすい。HMK 561の考え方はその逆で、フレームを“機能の器”にして外付けを減らす。
導電性を持たせたカーボンは、通電路の自由度が高い反面、接触面の管理が重要になる。たとえば振動で端子が緩むと抵抗が増えるので、構造側で接点を守る設計が求められる。
ブレーキングでの回生と蓄電が成立すれば、街の信号待ちが多い環境ほど効率が上がる。つまり“都市でこそ賢い”電動二輪という方向性が見える。
二重反転式推進モーターのような機構は、駆動の反力やトルク脈動を打ち消す狙いにもつながる。乗り手が感じる振動を抑えられれば、細身フレームでも落ち着きを作れる。
軽量化は単に持ち運びの話ではなく、停止と加速が多い都市環境での消費電力にも効く。キットマンの説明は、その点を直球で突いている。
===【人気モデル 詳細インプレッション】====
HMK 561(2022年モデル)
HMK 561は、専用の織機でカーボン繊維を型に沿って編み込む一体成形フレームを核にしたコンセプトで、迅速な生産と軽量性を両立させる狙いがある。
カーボンを切れ目なく配置して導電性を持たせ、ライトや計器類への電気の通り道をフレームに内包している点が特徴だ。
HMK 561は“軽さそのものが省電力”という設計論で、アシストの電力消費を抑える発想につながっている。
量産性とデザイン性の両立が評価され、コンセプト段階でも“実現しそう”と思わせる説得力がある。
HMK 561 Twin-Rim(2023年モデル)
HMK 561 Twin-Rimは、前後輪それぞれが2枚のリムを持ち、モーターをリムのあいだに巧みに配置するという奇妙だが合理的な構造を前面に押し出した案だ。
重量配分を車輪側に寄せ過ぎないようにしつつ、駆動系をコンパクトにまとめることで、見た目の細さと機能を両立させている。
都市の段差での衝撃が増えやすい構造なので、タイヤ選びや空気圧の調整で乗り味を作り込む余地がある。
Twin-Rimは視覚的インパクトも強いため、都市のプロダクトとして“見せる機能”を兼ねる。
HMK 561 Regen-Circuit(2024年モデル)
HMK 561 Regen-Circuitは、ブレーキングで発電する未使用の電気を蓄電する“カーボン回路”の考え方を強めた派生モデルだ。
配線を追加するのではなくフレーム側に通電ルートを持たせるため、外装のごちゃつきを抑えつつ回生の恩恵を得る狙いになる。
Regen-Circuitはエネルギーの回収を“整備の簡素化”に結び付ける点がユニークで、ケーブル交換の手間を減らす方向に働く。
回生量は走り方で変わるので、ブレーキ操作が丁寧な人ほど恩恵を感じやすい。
HMK 561 Suspension-Bridge(2025年モデル)
HMK 561 Suspension-Bridgeは、フレームから吊り下がるフロント/リアのサスベンション軸へ電力を供給する仕組みを、構造として分かりやすく見せた案だ。
サスの動きと電装を同居させると取り回しが難しくなるが、導電性カーボンで“軸そのものに電力を流す”発想なら配線の屈曲を減らしやすい。
路面の荒れた区間での安定感を狙いつつ、Eバイクにありがちな重さの印象を薄める方向でまとめられている。
サスのストロークと電装の耐久を両立させるには、摩耗点を減らす統合設計が効いてくる。
HMK 561 iF Edition(2026年モデル)
HMK 561 iF Editionは、iFデザイン賞を受賞したコンセプトを2026年の実用視点で詰め直した位置づけで、細身フレームと統合電装の完成度を高める狙いがある。
リチウムポリマー電池を搭載しつつ、車体重量を極端に増やさないことで“人間1名の重さを運ぶ”感覚に近づけるという説明を実装側へ落とし込んでいる。
iF Editionは見た目の軽さと実際の扱いやすさが一致しやすいよう、電装の露出を減らしながら日常のメンテナンスも想定している。
軽さが活きるのは登りだけではなく、押し歩きや階段の取り回しでも差が出る。
ラルフ・キットマンの発想は、電動二輪の電装を“後付け”にしないところにある。下の体験レポートやインプレ欄を覗くと、似た思想のEバイクが実際にどの点で評価されやすいかも掴める。
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